「将来の夢は、消防士か、ユーチューバーか、お花屋さん」小学生に夢を聞くと、返ってくるのは“見たことのある職業”ばかり。子どもたちが日常で出会える世界には、限りがあります。そんな“体験格差”に気づき、「もっと知らない世界にふれて、自分で夢を選べるようになってほしい」という願いから生まれたのが、今回のワークショップ。小学生向けおしごと体験イベント「ミライスタジオ」第1回目のテーマは、商品プロデュース。チロルチョコを題材に、「企画」「コピー」「デザイン」「CM制作」までを1日かけて体験しました。イベント概要イベント名:ミライスタジオテーマ:商品プロデュース実施日:2025年5月10日(土)9:00~14:00対象:小学生主催・参加企業:nanoni / ママプリ / いまみらい塾授業構成:5コマ+給食時間、小学校の授業スタイルで展開時間割形式の授業レポート1時間目:マーケティング企画(講師:丸木 翔太さん)テーマは「父の日・母の日」。「誰に、なぜ贈るのか?」を考えるところから商品づくりは始まります。子どもたちは「いつもがんばってるお父さんに」「お母さんはお花が好きだからピンクにしよう」など、相手のことを想像しながら目的やペルソナを設定しました。ワークシートでは「好きな色」「笑顔になる瞬間」などをヒントに、お父さん・お母さんの人物像を自分の言葉で言語化する姿が印象的でした。2時間目:コピーライティング(講師:藤巻 慧子さん)次はキャッチコピーづくり。伝えたいことを13〜14文字で表現します。言葉をそのまま並べるだけでは伝わらないという、想いを言葉にするむずかしさと向き合いました。授業では、「ピッカピカのいちねんせい」「カラダにピース、カルピス」など実在のコピーを参考にしながら、「ひとことで“ほしい!”と思わせる魔法の言葉」について学習。子どもたちは個性豊かなコピーを考えました。3時間目:パッケージデザイン(講師:木田 智子さん)シール台紙に色鉛筆とクレヨンを使って、オリジナルのデザインを制作。1時間目で考えたペルソナや、2時間目のキャッチコピーをもとに、色や形にも工夫をこらしていました。印象的だったのは「お母さんが好きなピンクを使ったよ」「僕の好きな赤と黄色にしたよ」など、色に意味を持たせながら表現していたこと。個性豊かなデザインばかりで、子どもたちの自由で柔軟な発想が存分に発揮されました。給食・昼休み(講師:佐藤 香奈恵さん)ケータリングはママの休食から佐藤 香奈恵さんが用意し、給食中に食育の授業を実施しました。食べることは体と心を育てること。栄養バランスを考え、五感を使って味わうことで、毎日の食事がもっと楽しくなる。子どもたちに食事を毎日食べられることへ感謝することが大切と伝えました。栄養素の話では、「タンパク質!」と元気よく答えられる、食への関心の高いお子さんも。初対面の子どもたちばかりでしたが、美味しい給食を食べながら会話を楽しみ打ち解けた様子でした。4時間目:CM制作(絵コンテ)(講師:丸木 翔太さん)15秒CMを5枚の絵で構成する"絵コンテづくり"に挑戦。伝えたいことを視覚でどう表現するか、チームでアイデアを出し合いました。「CMはあなたの短い物語」として、起・承・転・結+決めゼリフの構成で、自分だけの映像イメージを描くワーク。最後には2時間目で作成したキャッチコピーで締めくくり、伝える力が随所に光りました。5時間目:まとめ&クロストーク参加者の感想シェアと、講師陣による「なぜこの仕事に?」という話をクロストーク形式で。丸木さん:テレビが大好きだった中学生時代ともこさん:人の役に立ちたいという想いけーちゃん:やりたいことがなかったから、ライフスタイルから逆算して選んだ歌崎さん:教育との出会い子どもたちの発想が輝いた1日どの授業でも「伝えることのむずかしさと面白さ」に真正面から取り組んだ子どもたち。完成したコピーやデザイン、CM絵コンテには、その子らしさが光っていました。言葉に詰まって悩む姿、イラストを一生懸命描く姿、自信たっぷりに発表する姿――どの瞬間にも、学びと表現の喜びがあふれていました。難しそうに思えた授業内容でしたが、全員まずやってみよう!とすぐにペンを取る姿に、感動した大人も多かったはず。小学生向けの体験イベントでしたが、大人が子どもから学ぶことの多いイベントでした。これからもミライスタジオは続いていきます今回の「ミライスタジオ」は、商品プロデュースをテーマにした記念すべき第1回目。「ミライスタジオ」は、今後もシリーズとして展開予定です。普段なかなかふれることのない仕事の世界を、子どもたちが“体験”を通して知ることで、未来の選択肢がひろがるきっかけになるはず。次回以降も、コピーライターやデザイナーにとどまらず、編集者、商品企画、イベントプロデューサーなど多様な職業の体験機会を予定しています。これからの「ミライスタジオ」シリーズにも、ぜひご注目ください!